【5月15日 AFP】スーダンで長期政権を崩壊させた軍事クーデター後に設置された暫定軍事評議会と、文民政権への速やかな移行を求めてきた反政府デモの指導者らは15日、完全な民政移管まで3年の移行期間を設けることで合意した。一方で、新たな暫定統治機構をめぐる交渉はまだ終わっていない。
 
 オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領の失脚により、30年間続いた強権支配に終止符が打たれた。デモ側は文民主導の体制移行を求めているが、前大統領を打倒した軍事評議会が統治する状況が続いている。

 軍事評議会メンバーのヤセル・アタ(Yasser al-Atta)中将は、新たな暫定統治機構となる統治評議会の構成などで権力を分担するとの最終合意書が、デモを主導する民主化勢力の一派「自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)」との間で今日中に締結されると述べた。

 また、3年とされる移行期間の初めの6か月間で、ダルフール(Darfur)や青ナイル(Blue Nile)、南コルドファン(South Kordofan)といった紛争地の反政府勢力と和平協定を締結するという。

 当初、軍事評議会は移行期間を2年とすることを強く主張し、一方、デモ側は4年を要求していた。

 移行期間の年数についてはこれで合意に至ったものの、統治評議会の構成に関する重要な交渉は残ったままだ。軍事評議会は軍主導の評議会を主張しているが、デモ指導部側は過半数を文民とすることを求めている。

 民政移行への流れとしては、現在の軍人のみから成る暫定軍事評議会に代わり、新たな暫定統治機構として統治評議会が発足された後、さらに暫定文民政権が発足されて国務を行う。移行期間の終わりには、バシル前大統領失脚後初の選挙が実施される予定で、暫定文民政権はこれに向けて準備を進めていく。

 映像は、民政移行期間の合意を受けて祝福するデモ隊の参加者たち。15日撮影。(c)AFP/Jay Deshmukh and Bassem Aboualabass