【5月15日 AFP】フランス南部カンヌ(Cannes)で14日、第72回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)が開幕した。米ハリウッドとの関係も再び強まっており、レッドカーペットにも多数のセレブが登場する。

 今年の見どころを紹介する。

■スター集合

 映画祭は、米国のジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)監督によるゾンビ映画『The Dead Don't Die(原題)』のワールドプレミアで幕を開けた。

 作品は政治風刺を盛り込んだホラー映画で、アダム・ドライヴァー(Adam Driver)、ビル・マーレイ(Bill Murray)、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)、クロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)、ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)、イギー・ポップ(Iggy Pop)、トム・ウェイツ(Tom Waits)、スティーヴ・ブシェミ(Steve Buscemi)、ダニー・グローヴァー(Danny Glover)、ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)のRZAらが出演している。

 カンヌ映画祭と米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のわだかまりはいまだ解けていない。業界関係者の一部からは、The Dead Don't Dieをオープニング作品としたところに、急速に拡大する動画配信技術へのカンヌのレジリエンスがよく表れていると皮肉る声も聞こえてくる。

■マラドーナ:英雄、そしてハスラー

 サッカー界の伝説ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏は、ピッチの中でも外でも話題を振りまいてきた。今年のカンヌでは、アルゼンチンの英雄マラドーナ氏の波乱の半生を描いた伝記映画『Maradona(原題)』がプレミア上映される。監督を務めるのは英歌手エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)の人生を描いた『AMY エイミー』でアカデミー賞(Academy Awards)を受賞したアシフ・カパディア(Asif Kapadia)監督だ。

 作品はマラドーナ氏の英雄的側面と「ハスラー」的側面を描いており、セビージャFC(Sevilla FC)、FCバルセロナ(FC Barcelona)、ナポリ(SSC Napoli)での活躍だけではなく、コカインに溺れ死にかけたことや、闇社会との関係も取り上げている。