【5月12日 AFP】南アフリカで8日に実施された総選挙は11日、最終開票結果が公表され、与党アフリカ民族会議(ANC)が勝利した。選挙管理委員会発表の公式結果によると、ANCの得票率は57.5%。

 シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領(66)率いるANCは、アパルトヘイト(人種隔離)終結以降、6期連続となる政権維持には成功したものの、得票率は過去最低だった。また、国民議会(下院)の定数400議席中、過半数の230議席を確保したが、改選前からは19議席減となり、1994年に南ア初の全人種による選挙で故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領がANCを勝利に導いて以来、最低の成績となった。

 反アパルトヘイト運動の闘士だった実業家のラマポーザ氏が議長(党首)を務めるANCは、汚職や経済低迷、記録的な失業率や貧困への取り組みを公約に掲げてきた。しかし、得票率が伸び悩んだことから、こうした対策にも支障が出かねないと懸念される。

■急進左派「経済的解放の闘士」が大躍進

 一方、最大野党の民主同盟(DA)はANCに大差をつけられ、得票率は20.7%、獲得議席は84だった。

 これに対し、ANC青年同盟の元指導者ジュリアス・マレマ(Julius Malema)氏が2013年に結成した急進左派政党、経済的解放の闘士(EFF)は、得票率は10.79%だったが、改選前の25から44へと議席を伸ばし、第3党となった。

 映像は11日撮影。(c)AFP/Maryke Vermaak and Zama Luthuli