【5月12日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)は、べースキャンプが登頂を目指す登山家たちでにぎわっている中、今年は史上最高の混雑が予測されており、渋滞や安全性に関する懸念が生まれている。

【記者コラム】「世界の屋根」を取り巻く保険金詐欺、エベレスト

 ヒマラヤ登山に関する記録をまとめた「ヒマラヤン・データベース(Himalayan Database)」によると、1953年にエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)とテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)が初登頂に成功して以来、これまで4000人を超える人々がエベレスト山頂に到達した。

 近年は特に、登山会社間の競争が激しくなったことから料金が大幅に下落し、エベレストの登山者数は急激に増加している。

 しかし登山者が増えると、大人数の登山チームが山頂に向かう際の渋滞や酸素タンクの不足、凍傷や死亡事故の増加などにつながる恐れがある。

 ネパールは現在、エベレスト登頂を申請し、1万1000ドル(約120万円)を支払う人にはすべて登山許可証を発給している。ネパールの観光当局によると、同国政府は今年、これまでの最高記録である2017年の373人を上回る378人に登山許可証を発給した。

 エベレスト登山者の大半にネパール人山岳ガイドが同行することから、登頂に最も適した気候になる今後数週間に約750人の登山者が同じ道を歩くことになるとみられる。

 登山会社各社によると、チベット側の北稜ルートでエベレスト山頂を目指す登山者も少なくとも140人いることから、今年のエベレスト登山者は、これまでの最高記録である2018年の807人より多くなる可能性もある。2018年は5人がエベレストで命を落とした。

 映像前半は、上空から捉えたエベレスト。4月3日、27日に撮影。後半は、ネパール側にあるエベレストのベースキャンプ。4月16日から27日にかけて撮影。(c)AFP/Paavan MATHEMA