【5月10日 AFP】2017年1月にドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が米国大統領に就任して以降、米国内で50か所の石炭火力発電所が閉鎖されていたことが分かったと、環境保護団体シエラクラブ(Sierra Club)が9日、明らかにした。

 シエラクラブによると、閉鎖の発表があった51か所のうち50か所の閉鎖が確認できたという。

 米国では2010年以降、国内の石炭火力発電の容量の4割に当たる289か所の発電所が閉鎖されており、現在も稼働しているのは241か所。トランプ政権下で新たに開設された石炭火力発電所は最近アラスカ州で操業を開始した1か所のみだという。

 また10年ほど前から水圧破砕法(フラッキング)による天然ガスの採掘が広く行われるようになって以降、石炭は掘削コストの面で不利になってきており、天然ガスが石炭に代わって急成長を続けている。

 米国のエネルギー発電比率では、2015年には35%を占めていた石炭発電は今年夏までに25%に落ち込む見通し。一方、米エネルギー情報局(EIA)によると天然ガスは電力供給の40%を占めるという。

 エネルギーに関する公式統計によると、米国の石炭生産量はピーク時の2008年から3分の1減少しており、炭鉱は2008年から半数以上が閉鎖している。(c)AFP