【5月9日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)がスイス・ニヨン(Nyon)の連盟本部での会議で、昇降格制導入などを含む欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)改革の草案を作成したことが分かった。消息筋が8日に明かした。

 この案が現実になると、チャンピオンズリーグは2024年から1組8クラブ×4グループ制となり試合数は激増。ビッグクラブへの恩恵は大きくなる。

 しかしながら、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は「重要なのは、メディアでは騒ぎ立てられているが、何の決定もまだなされていないということだ。現時点ではアイデア、または意見の域を出ない」とこの案を大きく取り立てようとはしなかった。

 今回の案では、各グループの上位5チームに自動的に翌年の大会の出場権が与えられるため、実質的に小国のクラブにとってチャンピオンズリーグは狭き門となる。ホームアンドアウェー形式は維持されるため、グループステージの試合数は6から14に増加する。

 なお、国内リーグからの反発が必至のため、改革後の形式でも週末に試合は組まれない。現状ではリーグ戦や国内カップ戦はミッドウイークにも行われており、この改革に伴い国内の試合スケジュールは抜本的な変更が不可欠となる。

 欧州クラブ協会(ECA)のアンドレア・アニェッリ(Andrea Agnell)会長が、リーグ戦で欧州カップ戦の出場権を獲得するチーム数を大幅に削減する構想を打ち出して以降、欧州のクラブが参加する大会の改革は議論を呼んでいる。今回のUEFAの草案はECAの方向性に沿っているが、チャンピオンズリーグ本戦の出場チーム数は32で変わらない。

 現行のグループステージでは、1組4クラブ×8グループ制が採用されている。現在はイングランド、スペイン、イタリア、ドイツの四大リーグの上位4チームが本戦にストレートインできるため、予選の基準を変更するようUEFAはこれまでも批判されていた。

 なお、8日に行われた今シーズンの準決勝でトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に惜しくも敗れたアヤックス(Ajax)は、現行の制度の下で最も大きな影響を受けたクラブの一つとされている。アヤックスは今大会、グループステージにたどり着くために三つの予選ラウンドを勝ち上がらなくてはならなかった。(c)AFP