【5月9日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)は8日、準決勝第2戦が行われ、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)はアウェーでアヤックス(Ajax)に3-2で勝利し、2戦合計スコアを3-3としてアウェーゴール差で初の決勝進出を決めた。

 ルーカス・モウラ(Lucas Rodrigues Moura da Silva)のハットトリックで、敗退寸前から大逆転で勝ち上がりを果たしたトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ(Mauricio Pochettino)監督は試合後、選手たちを「スーパーヒーロー」とたたえた。

 アヤックスは後半アディショナルタイムまで合計スコア3-2とリードしており、その快進撃は決勝にまで続くかに思われた。しかし、トッテナムはペナルティーエリア内でボールを拾ったルーカスがGKアンドレ・オナナ(Andre Onana)からゴールを奪って第2戦のスコアを3-2とし、合計スコアは3-3で並んだもののアウェーゴールの数で上回り、決勝に駒を進めた。

 トッテナムは来月1日の決勝で、前日の試合で同じく劇的な勝ち上がりを見せたリバプール(Liverpool FC)と対戦する。イングランド勢同士の決勝は2008年以来となる。

 試合後に涙を見せたポチェッティーノ監督は、「人生で最も大きな一夜になった」「何より選手たちを祝福したい。彼らは素晴らしい仕事をやってのけた」と語った。

「彼らは英雄だと前に言ったが、今ではスーパーヒーローだと思っている。このチームをチャンピオンズリーグ決勝に導くなんて、ほとんど奇跡だ」

 ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の加入によってパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を追われ、トッテナムではエースであるハリー・ケイン(Harry Kane)が離脱する中で出場の機会をつかんだルーカスも、指揮官と同様の感情を抱いている。

 ルーカスは「サッカーは、僕らが想像できないような、こうした瞬間を与えてくれる」「楽しまなければならない。人生、そしてキャリアの中で最高の瞬間だ」とコメントした。

 一方のアヤックスの選手たちは、ルーカスの3点目が決まるとピッチに崩れ落ち、1996年以来となる決勝進出の夢が絶たれたファンもぼうぜんとした。

 それでも試合後、ファンは悲しみに打ちのめされながらも、今大会でレアル・マドリード(Real Madrid)やユベントス(Juventus)を破った選手たちに大きな拍手を送った。アヤックスはこの後、なんとか気持ちを切り替えてリーグ戦とカップ戦の2冠を達成しなければならない。

 チャンピオンズリーグ決勝という最高のステージに立つ機会を手にすることができないまま、今後はチームの解体が不可避とみられるアヤックスのエリック・テン・ハーフ(Erik ten Hag)監督は「選手たちには、こうした時にふさわしい言葉を見つけるのは難しく、サッカーは残酷だと話した」「今夜はつらい夜を過ごさねばならないが、前進しないといけない」と話した。(c)AFP/Andy SCOTT