【5月5日 AFP】女子テニス、世界ランキング1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)と関係を解消したサーシャ・バイン(Sascha Bajin)コーチが、クリスティーナ・ムラデノビッチ(Kristina Mladenovic、フランス)と新たにタッグを組んだ理由について、同選手がトップ10へ返り咲く手助けをしたいという思いを口にした。

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 バイン氏は今年2月、四大大会(グランドスラム)を2回制覇した大坂との13か月のコンビに突然の幕を下ろした。はっきりとした理由は両者とも明かしていないが、大坂は2月に「成功よりも幸福感を優先したい」と話している。

 それでもセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の練習パートナーを8年務めた他、ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)やスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)、キャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)らと仕事をし、さらに大坂とのタッグが成功を収めたことで、バイン氏は引く手あまたとなった。

 そして現在は、長引く低迷で世界ランキングが64位まで下降したムラデノビッチの指導者として、プレーヤーズボックスに戻っている。バイン氏は、これまでの経験がムラデノビッチの指導でも生きてくると考えている。

「もし私がセレーナ・ウィリアムスと8年を過ごして、バックハンドの教え方も知らないままの人間だったら、誰もコーチを頼もうなどとは思わないだろう」「キキ(ムラデノビッチ)も私が多くの選手と仕事をして、グランドスラムを取ってきたことを知っているから選んだのだろうし、私自身もこれまでの感覚やエネルギーを新しい選手たちに応用できると考えている」

「一度登ったことのある山なら、未経験のときよりも手を引くのは楽になるし、背中を押してやらないといけない」

 ムラデノビッチからは、大坂とたもとを分かったことが明らかになった直後に連絡が入ったという。コーチの打診は他にもいくつかあったが、その中からバイン氏は同じセルビアにルーツを持つムラデノビッチを選んだ。

「もちろんあらゆる選択肢を検討したが、今の状況を考えて、私が一番助けになれそうなのはキキだと判断した」「キキはこれまで教えてきたどの選手とも全く違うタイプで、だからこそ非常にやりがいがある」

 ムラデノビッチは2017年末に自身最高のランク10位まで浮上したが、2018年は40位台でシーズンを終え、そして新シーズンも開幕からシングルス4連敗を喫していた。

 しかしバイン氏がついたことで結果は早くも改善し、前週のイスタンブール・カップ(TEB BNP Paribas Istanbul Cup)では準々決勝に進出。そしてマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)でも、苦しみながら予選2試合を勝ち抜いて本戦の切符を手に入れた。

 2017年に準優勝を果たしている大会で、ムラデノビッチは5日にバーバラ・ストリコバ(Barbora Strycova、チェコ)との1回戦に臨む。(c)AFP/Reem Abulleil