【5月9日 Xinhua News】国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで近絶滅種に指定され、かつてはその姿を見つけることすら難しかった中国の淡水小型イルカ、長江スナメリが、長江(揚子江、Yangtze River)の大規模な保護施策の推進によって戻ってきた。水泳愛好家が4月26日、長江でスナメリと人が一緒に泳ぐ様子を初めてカメラに収めた。

 湖北省(Huibei)宜昌市(Yichang)の水泳愛好家、王忠(Wang Zhong)さんら4人は、市内の胭脂壩(いんしは)水域で泳いでいたところ、岸辺から約20メートルの水中で長江スナメリに出会った。

 湖北省宜昌市の水泳愛好家 王忠さん

 長江スナメリはとても気ままで、私たちの周り行ったり来たりしていました。4人で泳いでいましたが、私たちを囲むように前へ行ったり、後ろへ行ったり、まるで遊んでいるかのようでした。

 長江スナメリの出現に人々は驚きの声を上げた。ただ、スナメリは慌てる様子もなく、遊泳者と一緒に泳いだり、間に割って入ったり、小さな頭を水面から出したりしていた。

 湖北省宜昌市の水泳愛好家 呉小波(Wu Xiaobo)さん

 「プーッ」という息継ぎの音は、クジラの潮吹きを小さくしたような音でした。

 スナメリは彼らと10分近く一緒に泳ぎ、その後離れていった。長江の宜昌市流域には世界的規模の水利・水力発電施設、三峡ダムと葛洲ダムがあり、長江上中流域の生態系を守る重要な障壁の役割を果たしている。同流域では現在、3個体群、計17頭の長江スナメリが生息している。(c)Xinhua News/AFPBB News