【4月30日 AFP】サイクロン「ケネス(Kenneth)」の上陸したモザンビークで、ケネスによる死者は38人となり、全壊または一部損壊した家屋の数は3万5000棟になった。同国の国家災害管理院(INGC)が29日に発表した最新の被害状況で明らかになった。

 同日も豪雨に見舞われた被災地では、住民や救助隊員らがアフリカ史上最大規模のサイクロンの被害の対処にあたった。

 ケネスは25日夜、最大風速約60メートルの突風を伴い北部のカボデルガド(Cabo Delgado)州に上陸。被災地では道路や畑が広範囲にわたって冠水し、多くの家屋が損壊した。同州は、3月半ばにサイクロン「アイダイ(Idai)」が襲来していた中部の都市ベイラ(Beira)からは約1000キロ北に位置している。

 ケネスについて、国連人道問題調整事務所(OCHA)はアフリカ大陸を襲ったサイクロンとしては史上最強と指摘、激しい雨が今後数日続くとの見方を示した。ケネスはモザンビークに上陸する前にコモロ諸島(Comoros islands)を通過し、少なくとも3人の死者、7万5000棟の家屋損壊の被害を出していた。

 ケネスの襲来したモザンビーク北部は、中部のベイラほど人口が密集していないものの、イスラム過激派グループによる襲撃で、過去1年半に死者が出ている。同国軍は依然として同過激派グループを鎮圧できていない。

 ベイラを襲った「アイダイ」では、モザンビークとジンバブエの両国で約1000人の死者が出た。

 映像前半は、カボデルガド州マコミア(Macomia)郡。後半は、同州の州都ペンバ(Pemba)。世界食糧計画(WFP)が26日から29日にかけて撮影。(c)AFP/Gregory WALTON