【4月29日 AFP】カナダを訪問中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は28日、ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相と会談し、米国が脱退した環太平洋連携協定(TPP)の縮小化版となる新協定が、市場に恩恵をもたらしているとの見解で一致した。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、TPPが発効される前の2017年に協定から離脱。昨年末、米国抜きの新協定「包括的および先進的な環太平洋連携協定」(CPTPP)が発効した。

 CPTPPは約5億人の消費者を抱えるアジア太平洋地域の11か国が、増大する中国の経済的影響力に対抗することを目指し、加盟国間での貿易障壁を取り除いたもの。

 カナダの首都オタワで共同会見した安倍・トルドー両首相は、CPTPPが日本とカナダを含めた加盟国の国民および事業に「多大な恩恵を与えている」と述べた。

 トルドー首相はCPTPPについて、米国が火付け役となった保護貿易主義とは「対極的な立場」を取るものだと述べ、ここ数か月でカナダ産牛肉の対日輸出量が3倍に増えたことに触れつつ「米国にはこのようなアクセス権がない」と語った。

 安倍首相もトルドー氏に賛同し、CPTPPは前進するための手本となるべきものだと評価。カナダと日本は今後、CPTPPの加盟国数を増やす努力を行っていくだろうと述べた。(c)AFP