【4月28日 AFP】サイクロン「ケネス(Kenneth)」による豪雨に見舞われたモザンビーク北部で、洪水被害の拡大が懸念されている。同国のカルロス・アゴスティーニョ・ド・ロザーリオ(Carlos Agostinho Rosario)首相は27日、ケネスによる死者が5人に達したと明らかにした。

 ロザーリオ首相は大きな被害を受けた北部カボデルガド(Cabo Delgado)州の州都ペンバ(Pemba)で記者団に対し「これまでに5人が死亡した」と述べた。

 ケネスはコモロ諸島(Comoros Islands)を通過した後、カテゴリー3のサイクロンとして25日にモザンビークに上陸した。現在は熱帯低気圧になっている。

 モザンビークの国家災害管理院(INGC)は、深刻な洪水被害や土砂崩れに加え、広範囲におよぶ停電が発生していると報告した。INGCによると住宅3300戸が全壊あるいは一部損壊の被害を受け、約1万8000人が避難所に入っている。

 ケネスによる被災後初めて空から現地を視察した国連人道問題調整事務所(OCHA)のサビアノ・アブレウ(Saviano Abreu)報道官は、「壊滅した集落があまりにも多い。家が一軒も残っていないような集落が10ほどあった」と述べた。イボ島(Ibo Island)では、主な村だけでなく、それ以外の集落も壊滅していたという。

 国連人道問題調整事務所は、今後10日ほどはカボデルガド州で大規模な洪水が発生し、タンザニア南部で大雨が降る恐れがあるとしている。

 27日朝には、ブラジル軍、国連人道問題調整事務所、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)などの職員が被害状況調査のためペンバに入った。(c)AFP/Gregory WALTON