【4月27日 AFP】ロシアによる米国の内政干渉行為をめぐる3年に及ぶ捜査で、ロシア人として唯一逮捕され、裁判で有罪を認めていたマリア・ブティナ(Maria Butina)被告(30)が26日、禁錮1年6月の刑を言い渡された。

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 ロシアの小さな銃権利擁護団体の代表を務めていたブティナ被告は、銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」との関係を利用し、共和党有力者との人脈構築を試みていた。

 被告は裁判で、米政府に登録することなく外国政府の代理人としての活動を企んだ罪を認めていた。この罪状は、「軽スパイ行為」とも呼ばれ、米司法省がスパイ容疑のロシア人に対して適用してきた。

 検察は、被告が公然と活動し、ロシア情報機関とのつながりはなかった一方で、ロシア政府の高官らに報告を行い、米国に対する脅威となっていたと主張している。一方のブティナ被告は、自分は米ロ関係の改善に努めたかっただけだと主張。「外国代理人として登録することを知っていれば、そうしていた」と説明している。

 同被告には検察の求刑通りの量刑が言い渡されたが、このうち9か月は未決勾留期間として刑期から差し引かれる。被告は刑期終了後、ロシアに強制送還される予定だ。

 量刑言い渡しを受け、ロシア外務省は「(ブティナ被告が)米国の内政プロセスに影響を与えようとしたという疑いは、全くのでっち上げで、捏造(ねつぞう)だ」と批判した。(c)AFP/Paul HANDLEY