【4月24日 AFP】火星でこのほど、地震とみられる揺れが初めて観測された。科学者らが23日、明らかにした。地球の隣にある惑星の起源に関する新たな発見への期待が高まる発表だ。

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 揺れは4月6日に観測されたもので、2018年12月に火星表面に設置されたドーム型の「SEIS」として知られる地震計が探知した。SEISは、米航空宇宙局(NASA)が火星に着陸させた無人探査機「インサイト(InSight)」によって設置された。

 SEISの諸計器は気象による振動を計測するが、火星の深部からの動き、いわゆる「火震(marsquakes)」や隕石衝突による揺れも探知できる。

 SEISを運用するフランス国立宇宙センター(CNES)は、同センターは、6日の揺れについて「弱いがはっきりした地震信号」だったと説明している。

 研究チームは今回の観測を通じて、火星中心部の活動に関する情報の収集に期待を寄せており、数十億年前の火星形成についての洞察につなげたい考えだ。

 チームは現在、揺れの原因を確認するとともに、観測結果が風や雑音によるものではなく、火星内部から発生していることを確かめる作業を進めているという。(c)AFP