【4月23日 AFP】中国南部・深セン(Shenzhen)市で、警察に拘束された著名な労働活動家ら3人の釈放を求める請願書に、職業病に苦しむ労働者ら約100人が署名した。中国では政府当局や警察が労働運動を弾圧している背景がある。

 労働者の権利を伝えるニュースサイトの編集者、危志立(Wei Zhili)氏と柯成氷(Ke Chengbing)氏は「因縁をつけ、問題を引き起こした」として先月逮捕された。こうした広い解釈が可能な罪状は、中国当局が活動家や反体制派の人々を弾圧する際によく用いられる。

 また、労働ニュースサイト「アイ・レイバー(iLabour)」の楊鄭君(Yang Zhengjun)編集長も、1月から警察に身柄を拘束されている。

 署名に参加した労働者の一人は、「彼らは罪を犯していない。人を思いやる心があったから、政府に弾圧されたのだ」と訴えた。

 湖南(Hunan)省出身者が多くを占める出稼ぎ労働者たちは、同市が漁村から中国最大の技術ハブの一つに生まれ変わった開発の過程で働き、死にも至る肺の病、珪(けい)肺症を患ったとして昨年、同市で賠償金を求め抗議した。

 政府が労働者たちを無視し、抗議運動を中止するよう圧力をかけた際、現在拘束されている3人の労働活動家たちは労働者たちを支援したと、署名の参加者は語った。

 労働者らが行ったインターネット署名は、深セン市警察に対し活動家3人を釈放するよう求め、政府系の全国労組組織、中華全国総工会(All-China Federation of Trade UnionsACFTU)に提出される。(c)AFP/Pak YIU