【4月20日 AFP】リビアの首都トリポリで19日、「黄色いベスト」を着用した人々が参加したデモが行われ、大勢の人が、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏率いる軍事組織「リビア国民軍(LNA)」による首都奪取を目指す攻撃に抗議し、さらに同氏を支持しているとしてフランスに対しても非難の声を上げた。

 東部一帯を支配するLNAは今月4日、国連(UN)の支持を受け、国際的に承認されている国民合意政府(GNA)が本拠とする首都トリポリの奪取を目指して進軍を開始した。

 GNAのファティ・バシャハ(Fathi Bachagha)内相は18日、「犯罪者ハフタル」を支持しているとしてフランスを初めて名指しで非難。フランス政府との防衛関係を解消する意向を明らかにした。

 19日の抗議運動では、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動のトレードマークとなっている黄色いベストを着用した人々を含め、多数の参加者がGNAへの支持を表明。16日にも黄色いベストの着用者数十人がデモを行い、トリポリへの「武力攻撃を支持する」国々との断交をGNAに求めた。

 一方、フランス外務省側は、フランスがハフタル氏を支持して外交的な口実を与えているとのGNAの主張は「事実無根」と主張。

 マクロン大統領も文書で、「フランスはファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相率いる正統な政府と、リビアの包括的な政治解決を目指す国連の仲介を支持している」と述べた。(c)AFP