【4月20日 AFP】薬物検査で失格になったとしてニューヨーク州アスレチック・コミッション(NYSAC)から17日にライセンス申請を却下されていたボクシングのジャレル・ミラー(Jarrell Miller、米国)が、2度目の検査でも陽性だったことが判明した。米メディアが19日に報じた。

 世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに入っているヒト成長ホルモン(HGH)に陽性反応を示したミラーは、1回目の検査で失格になったことで、6月1日に予定されていたWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)との試合が消滅したことが16日に判明していた。

 ミラーの共同プロモーターを務めるディミトリ・サリタ(Dmitriy Salita)氏とグレッグ・コーエン(Greg Cohen)氏は、米スポーツ専門チャンネルESPNに対して、「サリタプロモーションズとグレッグ・コーエンプロモーションズは、今回の事態について非常に失望していると同時に、最高の戦いになるはずだったファイトを取り上げられてしまったファンに対して申し訳なく感じている」と述べた。

「関係者全員にとって、これは最悪の結末であり残念な状況である」

 これまで24戦負けなしの戦績を誇っているミラーは、キックボクサー時代の2014年にも禁止薬物のメチルヘキサンアミン(methylhexaneamine)に陽性反応を示してカリフォルニア州アスレチック・コミッション(CSAC)から9か月の資格停止処分を科されたことがあった。

 一方、ジョシュアは計画通りに6月の米国デビュー戦で通算7度目のタイトル防衛戦に臨む予定となっている。プロモーターのエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏も急いで代わりの対戦相手探しを始めており、ESPNに対して「正直なところ信じられない気持ちだ。アスリートに対しては常に、疑わしきは罰せずという姿勢を示したいものだが、これは疑問の余地がない」と話した。(c)AFP