【4月16日 AFP】エジプトは13日、先月発見されたエジプト第5王朝の貴族の墓を公開した。色とりどりのレリーフ(浮き彫り細工)や保存状態の良い碑文が残されており、考古学的に重要なものだという。

 墓は首都カイロ南方にある古代エジプトの王墓群サッカラ(Saqqara)の近くで発見された。約4300年前の第5王朝時代の貴族クウイ(Khuwy)のものとされる。

 発掘チームを率いるモハメド・メガド(Mohamed Megahed)氏は、考古省の発表の中で、「クウイの墓はL字形で、細い廊下を下りて行くと控えの間があり、そこから墓の主が供物のテーブルに座っている様子を描いた彩色レリーフのあるさらに大きな部屋へと続いている」と説明した。

 数十人の各国大使に囲まれたハリド・アナニ(Khaled el-Anany)考古相は、この墓は先月発見されたものだと述べた。墓の大部分は白いれんが状の石灰岩でつくられており、華麗な壁画には緑色の樹脂と埋葬に使われた油が使用されている。考古省の発表によると、墓のデザインが第5王朝のピラミッドの影響を受けていることが墓北側の壁から分かるという。

 エジプトは、2011年の民衆蜂起で打撃を受けた観光業のてこ入れ策として遺跡の発見に力を入れている。

 映像は13日撮影。(c)AFP