【4月17日 MEE】米国によるイラン革命防衛隊(IRGC)のテロ組織指定は、IRGCと積極的に関わっているわけではないイラン国民にも広範囲な影響を及ぼす可能性がある。

 IRGCはイラン社会のさまざまな面に深く関わっており、メディア、災害救助、産業用建築、海運業、通信、内政、外交政策に関係しているほか、イランの子供向けスカウト運動でさえもIRGCを通じて運営されている。IRGCのテロ組織指定により、イランと一見無害な範囲で関わっている米国国民でさえも、テロ組織への物資提供などの罪で処罰の対象となる可能性がある。

 IRGCは、選挙で選出されたイラン政府の管理下にある通常の国軍からは独立して運営されている精鋭部隊で、約12万5000人が所属し、イラン国内では無類の力を誇るとされている。1979年、イランの初代最高指導者、故ルホラ・ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師の支持者らによってイラン革命の防衛を目的に設立され、現在は現最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師に直属する組織となっている。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権はIRGCのテロ組織指定を大々的にアピールする一方で、これをどう遂行するかについては明言していない。全米イラン系米国人協議会(National Iranian American Council)の政策担当ディレクター、ライアン・コステロ(Ryan Costello)氏はミドルイースト・アイ(MEE)に対し、特に在外イラン人にとってはこの詳細が不明瞭だと指摘する。

 たとえば、イランの18歳以上の男性は兵役が義務付けられており、配属先としてIRGCが選ばれればそれに従わざるを得ないだろう。「米国により外国テロ組織に指定された機関に徴兵される可能性が生まれるのは、これが初めてだ」とコステロ氏は話す。