【4月13日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は12日、新たな春季攻勢の開始を宣言し、17年以上にわたる紛争に終止符を打とうとタリバンと協議を続けている米国側は警戒を強めている。

 タリバンは、「占領をなくし」「われわれイスラム教徒の地から侵略と背徳行為を一掃する」ため、アフガニスタン全土で「オペレーション・ファス(Operation Fath、アラビア語で「勝利」の意味)」を実施すると発表した。

 タリバンの春季攻勢は例年、戦闘シーズンの始まりを表しているが、攻勢の開始宣言は象徴的なものにすぎず、タリバンは近年、冬にもアフガニスタン軍や米軍との戦闘を続けてきた。

 和平合意のためにタリバンとたびたび協議してきた米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガニスタン和平担当特別代表は、以前は習慣化していた年次宣言が「いい加減」で「信頼性がない」と主張。一方で、米国としては協議の続行を望んでいると述べ、今年末までに和平合意に至るための計画を公表した。

 同氏は、「アフガン人の殺害はやめるべきだ。全ての軍や勢力が無益な殺し合いをやめ、代わりに政治的解決や、今年中に紛争を終わらせる計画に向けた交渉のために、アフガン国内の協議に労力を費やすべきだ」と訴え、タリバンと密接に関わるパキスタンやカタールに圧力をかけて非難に加わるよう促した。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI