【4月12日 AFP】パキスタン南西部バルチスタン(Balochistan)州の州都クエッタ(Quetta)にある混雑した果物市場で12日、イスラム教シーア派(Shiite)の少数民族ハザラ人(Hazara)を狙ったとみられる大規模な自爆攻撃があり、少なくとも20人が死亡、48人が負傷した。当局が発表した。

 イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」の一派が犯行声明を出し、同国でシーア派に対する残虐な攻撃を多数仕掛けている武装集団「ラシュカレ・ジャングビ(LeJ)」と共同で行ったと発表。ただ現時点では、LeJからの確認は取れていない。

 アフガニスタンとイランと国境を接するバルチスタン州は、パキスタン最大にして最貧の州であり、民族や宗派間の衝突、分離主義者による暴動が横行している。

 イスラム教スンニ(Sunni)派の武装集団はハザラ人を異端者とみなしており、ハザラ人の顔立ちが中央アジア系で目立つことから攻撃対象となっている。

 頻繁に攻撃を受けるため、クエッタ市内に2か所ある保護地区での生活を余儀なくされており、普段日用品を買いだめするために市場に行く際には警察の護衛がつくという。(c)AFP/Maaz KHAN