【4月12日 AFP】ギリシャ文化・スポーツ省は、同国海域の海中に多数存在する古代沈没船の一部を2年以内に一般公開すると発表した。島しょ部の経済活性化が狙いだという。

 エーゲ海(Aegean Sea)のアロニソス(Alonissos)島で記者会見したコスタス・ストラティス(Costas Stratis)副大臣は、「明らかな目標は水中考古学の発展だ」と述べ、公開の意義を強調した。

 ぺリステラ(Peristera)という紀元前5世紀の商船が沖合に沈むアロニソス島は整備が最初に行われる場所で、ストラティス副大臣は「3000ものアンフォラ(ワインを入れる容器)が積まれたぺリステラは、おそらく古代ギリシャ時代における最も重要な遺物だ」と述べた。

 ギリシャの考古学者によると、ローマ時代以前には造船の知識はないと考えられていたが、ぺリステラの発見により古代ギリシャにはすでに船が存在していたことが証明されたという。

 ギリシャ周辺の海には古代の船が多数沈んでおり、文化・スポーツ省によるとエーゲ海に浮かぶフルニ(Fourni)島近海だけでも約60隻が発見されているという。(c)AFP