【4月11日 AFP】歴史問題をめぐり日韓関係が緊張している中、建て替えが予定されていたソウルの在韓日本大使館の建築許可が、着工が遅れていることを理由に取り消されていたことが、10日明らかになった。

 大使館の以前の建物は数年前に取り壊され、職員は近くの高層ビルのオフィスに分散して移っていた。敷地は現在、地面がむき出しになった状態で、高い壁とつる植物が絡み付いた有刺鉄線で囲まれている。

 日韓両国政府が第2次世界大戦(World War II)中の慰安婦問題で合意に達した2015年、ソウル市当局は新しい6階建ての大使館の建築許可を出したが、工事は何度も延期された。韓国の法律では、建築許可を受けてから1年以内の着工が義務付けられている。

 大使館の敷地がある同市鍾路(Jongno)区の関係者は、「われわれは2月に日本側と会合を開いた。日本側は、自国内の事情で着工できないため、建築許可の取り消しを受け入れると言った」と明かした。

 今年は、日本統治時代の1919年に起きた「三・一独立運動」と大韓民国臨時政府発足から100年に当たり、ソウル市中心部は政府が制作した独立の英雄らの大型ポスターで華やかに飾られている。

 映像前半は更地となっている日本大使館の敷地。後半は敷地前に設置された、慰安婦を象徴する少女像。10日撮影。(c)AFP