【4月10日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(83)が、胸の痛みを訴えてインド・ニューデリーの病院で検査を受けた。容体は安定しているという。ダライ・ラマの代理人が明らかにした。

 米国でのダライ・ラマの代理人、ゴドゥプ・ツェリン(Ngodup Tsering)氏はAFPに対し、ダライ・ラマは「軽いせき」が出たため9日朝、空路でニューデリーに向かい、マックス病院(Max Hospital)で医師の診察を受けたと語った。

 ツェリン氏は「医師は、心配することは何もないと言った。それほど深刻ではない」と述べ、ダライ・ラマは「数日間休養する」と述べた。ダライ・ラマが入院したのかどうかは明らかにしなかった。

 チベット亡命政府があるインド北部ヒマチャルプラデシュ(Himachal Pradesh)州の警察幹部は、ダライ・ラマは航空機で救急搬送されたのではなく、9日朝の定期航空便でニューデリーに向かったと述べ、「パニックになるようなことは何もない」と語った。

 インドに亡命しているダライ・ラマは今も高い人気があるが、国際的な活動は縮小し、2016年以降は世界の指導者らとも会っていない。各国政府は中国政府への配慮から、ダライ・ラマを招待することに慎重になっている。(c)AFP