【4月9日 AFP】ニュージーランドで先月発生したモスク(イスラム礼拝所)銃乱射事件に関しイスラム教徒に差別的な発言をしたオーストラリアの極右議員に生卵をたたき付けたウィリアム・コノリー(William Connolly)さん(17)が9日、警察からの訴追を免れ、厳重注意を受けるにとどまった。

 コノリーさんは先月16日、オーストラリアのメルボルンでメディアの取材を受けていたフレーザー・アニング(Fraser Anning)議員の頭に生卵をたたき付け、「エッグ・ボーイ(卵少年)」と称賛され一躍有名になった。物議を醸す発言で知られるアニング氏はその前日、ニュージーランド南島のクライストチャーチ(Christchurch)にある2つのモスクでの銃乱射事件について、非は移民にあるとする趣旨の発言をし、国際社会から非難を浴びていた。卵をたたき付けられたアニング氏も即座にコノリーさんの顔を複数回殴った。

 コノリーさんがアニング氏に卵をぶつける場面を捉えた動画はネットで拡散し、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」には、訴訟費用や「追加の卵」代として8万豪ドル(約640万円)余りの寄付が集まった。コノリーさんは、集まった資金を銃乱射事件の犠牲者に寄付する考えを示した。

 豪ビクトリア(Victoria)州警察は映像を調べた結果、コノリーさんを訴追しないことを決め厳重注意にとどめたと述べた。(c)AFP