【4月20日 AFP】頭のてっぺんから爪先まで黄色ずくめのアブ・ザッカー(Abu Zakkour)さん(70)は、シリア北部アレッポ(Aleppo)の「財産」としてもてはやされている。

 ザッカーさんは36年近く、服もアクセサリーも黄色のみの単色コーディネートを厳格に貫いてきた。アレッポの「イエローマン」は今、ギネス世界記録(Guinness World Records)への登録を見据えている。

「1983年以来ずっと黄色い服を着ている」「持ち物はすべて黄色。服も携帯電話も枕も時計も」

 アレッポ中心部のサーダッラー・ジャビリ広場(Saadallah al-Jabiri Square)では、大勢の人がザッカーさんの周囲に集まってくる。写真を撮らせてほしいとせがむ若者もいる。

 ちやほやされるのにはもう慣れてしまったと話すザッカーさん。「大勢の人が、写真を撮らせてほしいと私を呼び止める。だから1キロほどの道路を歩くのに4時間以上もかかる」と語った。

 市内で飲食店を経営しているマジド・シャーシャクジ(Majid Sharshakji)さんは、評判に乗じて店内にザッカーさんの像を設置してしまった。「アブ・ザッカーさんは、アレッポの財産ですよ」とシャーシャクジさん。

 しかし、人気がいつも都合よく働くとは限らない。

 2012~2016年にアレッポ東部が反体制派の支配下にあった時には、ザッカーさんは政権軍と共謀した容疑で戦闘員らに拘束された。

 だがザッカーさんは、厳しい試練を受けても黄色い服を着るのをやめたことは一度もないという。「私は死ぬまで、黄色い服を着続ける」 (c)AFP/Maher al-Mounes