【4月9日 AFP】18-19イングランド・プレミアリーグは8日、第33節の試合が行われ、チェルシー(Chelsea)はエデン・アザール(Eden Hazard)が2得点を奪う活躍を見せ、ホームでウェストハム(West Ham)に2-0で勝利。プレミアリーグで暫定3位に浮上した。

 チェルシーのマウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督は、1億ポンド(約145億円)と報じられる移籍金は「安すぎる」としながらも、アザールが今夏にスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)へ移籍することを止めるのは難しいだろうと話した。

 ベルギー代表のアザールは、敵陣の浅い位置からボールを運び、相手選手3人をかわして冷静にシュートを決めた自身の先制点について「スペシャル」だったと自賛した。しかし、契約満了まで残り約1年と迫っている中でこれまで延長を拒んでおり、チェルシーは金銭と引き換えに貴重な選手を手放すことを余儀なくされるかもしれない。

 仮に今夏での売却を断れば、チェルシーはチーム得点王のアザールを2020年にフリートランスファーで失う恐れがあるが、サッリ監督は「今の移籍市場でその額(1億ポンド)は安すぎる! ここ最近の移籍市場では、いろんな額を目にしてきた」と話した。

「クラブが移籍させたくないと考えているのは間違いないが、もちろんわれわれは彼の決断を尊重しなければならないと思う」「来季は契約の最終年になる。もし彼がこれまでと異なる経験をしたいと考えているなら、それを尊重する必要がある。なんとかして説得するつもりだが、簡単なことではない」

 またチェルシーは現在、国際サッカー連盟(FIFA)から1年間の補強禁止処分を下され、新戦力を獲得することができない状況になっており、アザールを失う可能性は一段と悩ましい問題となっている。

 アザール抜きでチームは対応できるかと問われたサッリ監督は「戦術的な観点から言えば、現時点ではノーだ」と答えた。「それにアザールの代わりは見つけられない。アザールのレベルが高すぎるから、現時点で彼の代役はいない」

 今回の白星により、トップ4入りを目指すチェルシーは4位トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に勝ち点2差、5位アーセナル(Arsenal)に3ポイント差とし3位に浮上。トッテナムやアーセナルに加え、チェルシーに勝ち点5差をつけられている6位のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は、消化試合数が一つ少ない。(c)AFP/Kieran CANNING