【4月7日 AFP】英国競馬の障害レース、グランドナショナル（Grand National 2019、芝約6900メートル）が6日、リバプールのエイントリー競馬場（Aintree Racecourse）で行われ、デイビー・ラッセル（Davy Russell）騎手騎乗のタイガーロール（Tiger Roll）が、1970年代の伝説の名馬レッドラム（Red Rum）以来45年ぶりとなる大会連覇を達成した。

　オッズ4対1の1番人気で出走した9歳のタイガーロールは、最後の障害を乗り越えたところで先頭に立つと、その後大穴のマジックオブライト（Magic of Light）に再び差を詰められたが十分なリードを保って逃げ切り、1973年と1974年のレッドラム以来の快挙を成し遂げた。

　39歳のラッセル騎手はガッツポーズを披露し、ゴードン・エリオット（Gordon Elliott）調教師と思い切り抱き合って喜んだ。ラッセル騎手は「この年齢でグランドナショナルを連覇できるなんて本当に信じられない！」とコメントした。

　かつてオーナーのマイケル・オライリー（Michael O'Leary）氏から解雇されたこともあるラッセル騎手が手を振って喜ぶと、普段は感情を表に出さないエリオット調教師もおえつを漏らした。

　グランドナショナルで自身3勝目を挙げたエリオット氏は「あまり感情を乱すタイプではないのだが、今回のことは信じられない」「彼こそが虎だ」「去年の勝利は亡くなったデイビーの母親にささげるもの、そして今年の勝利は亡くなった私のおじのためのものだ」とコメントした。「歴史をつくったのは私じゃない。ゴードンとデイビー、そしてこの馬だ」

　またアイルランドの格安航空会社ライアンエア（Ryanair）の最高経営責任者（CEO）を務めるオライリー氏の兄弟で、タイガーロールの馬主のエディ（Eddie）氏は「これでこの馬もスーパースターだ」と簡潔にまとめた。(c)AFP