【4月7日 AFP】スーダンの首都ハルツームで6日、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領に対する抗議運動のデモ行進が行われ、昨年12月の運動開始後初めて、軍本部前に大勢のデモ隊がたどり着いた。

 目撃者によると、デモ隊は「平和、正義、自由」とシュプレヒコールを上げながら、バシル大統領の官邸や国防省も入る軍本部施設に向かって行進した。

 デモ参加者のアミール・オメル(Amir Omer)さんは、「運動の目的はまだ達成できていないが、『われわれの側に付け』というメッセージを軍に届けることはできた」と語った。

 医師やジャーナリスト、弁護士らの団体、スーダン専門職組合(Sudanese Professionals Association)を中心とするデモ主催者側は先週、6日にデモ行進を実施し、「国民と独裁者、どちらの側に付くのか」態度を明確にするよう軍に求める方針を発表していた。

 警察は、首都ハルツームおよび複数の州で「違法な集会」があり、ハルツームに隣接するオムドゥルマン(Omdurman)市で起きた騒ぎの中でデモ参加者1人が死亡したと発表した。デモの開催を支援した医師の団体は、死亡したのは医療関係者だったと明らかにした。

 これにより、昨年12月に始まった一連のデモに関連して死亡した人は当局発表で32人になったが、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は子どもと医療関係者を含め51人だとしている。

 一連の運動開始以来、デモの取り締まりは治安部隊や機動隊が行い、これまで軍は介入してこなかった。デモ隊は6日夜になっても軍本部前にとどまっていた。中には歌ったり踊ったりする参加者もいた。

 バシル大統領に対する抗議行動は昨年12月19日、政府がパンの価格を3倍に引き上げたことをきっかけに始まり、またたく間に全国的な反体制運動に発展。怒れる民衆が食料価格の高騰や慢性的な燃料・外貨不足を招いた経済運営の失敗を非難してきた。(c)AFP