【4月6日 AFP】英国で最も裕福な実業家で、先月自転車ロードレースの強豪チームスカイ(Team Sky)の新スポンサーとなったジム・ラトクリフ(Jim Ratcliffe)氏(66)が、新たにサッカーフランス・リーグ1のニース(OGC Nice)を買収してスポーツ事業を拡張しようとしている。同氏の弟であるロバート(Robert Ratcliffe)氏が5日に明らかにした。

 ロバート氏はフランスの日刊紙ニース・マタン(Nice Matin)に対して、英化学大手のイネオス(Ineos)の会長のジム氏が、ニースの買収を望んでいると明言した。ジム氏は、交渉に臨んだことが4日に報じられていた。

「われわれは、一から作り直す必要があるクラブを買うつもりはない。あのチームには最高のスタジアムと最新の練習施設がある」

 ロバート氏はまた、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のファンであるジム氏が、「サッカーに投資したがっている」と明かすと、「リーグ1には、キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)やネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)といった、世界最高の選手がそろっている」と強調した。

 しかしながら、ニースを所有する中国系米国人の李建(Chien Lee)氏は当初、売却に興味を示していたものの、約1億ユーロ(約125億円)と伝えられたオファーを拒否したという。「彼は売却に乗り気であると言っていたが、その24時間後にこれ以上のオファーは受け取りたくないと伝えてきた」

 EU離脱(ブレグジット、Brexit)賛成派のジム氏は、個人資産が210億ポンド(約3兆円)に上り、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が発表した2018年の同国長者番付でトップに躍り出た。

 元フランス代表でアーセナル(Arsenal)でプレーしたパトリック・ビエラ(Patrick Vieira)監督が率いるニースは、今季8試合を残して現在リーグ8位につけている。(c)AFP