【4月25日 CNS】求職活動のピークは、航空会社にとっても求人のピークに当たる。中国南方航空(China Southern Airlines)によると、同社の客室乗務員募集に対し今年はすでに3万1000人を超える応募があった。しかし、「筆記試験や面接試験の合格を保証する」といったうたい文句で応募者をだまし、大金を稼ぐ偽の仲介業者がいることも分かった。

 王さんは、南方航空の客室乗務員の面接と身体検査を受けた後、ある客室乗務員求人サイトで「500元(約8300円)を先払いすれば筆記試験の合格を保証し、合格後に改めて1万7000元(約28万円)を支払う」という仲介業者の広告を見つけた。筆記試験の出来が心配だった王さんは仲介業者に500元を支払い、個人情報も提示した。しかし500元を支払った後ですぐにだまされたと気づき、この仲介業者とはそれ以降連絡を絶った。

 王さんはその後、筆記試験に合格。正式に南方航空の客室乗務員訓練生になったが、訓練期間中に仲介業者からしばしばつきまとわれ、金銭を支払うよう脅された。王さんはつきまとわれていると気付くとすぐに会社に報告し、大事には至らなかった。

 インターネット上だけでなく、就職試験会場のトイレや廊下などでも、貼り紙や直接話しかけるなどしてQRコードを教えて就職活動交流グループチャットに誘い、グループチャット上で「内部操作で合格を保証する」という偽情報を流しているケースもある。ひどいケースでは、入社試験の最終審査担当者をかたる者や、南方航空の偽のホームページを作成して偽情報を流し、暴利をむさぼる者までいる。

 南方航空は微信(ウィーチャット、WeChat)の公式アカウントを通じて、応募者が詐欺に遭わないよう警告する声明文を公開するとともに、同社への4つの正式な応募窓口を発表した。またこの声明で、同社がこれまで求人を外部に委託したことは一切ないとし、南方航空の名義を偽って求人を行ったり、偽の求人情報を広めたりした者に対しては法的措置を取る用意があることを宣言した。

 南方航空は今年、夏季と秋季にも大規模な人材募集を行い、年間合計3400人以上の客室乗務員募集を行う予定だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News