【4月5日 AFP】世界保健機関(WHO)は4日、年次報告書「世界保健統計(World Health Statistics)」を発表し、2000~16年の16年間で世界の平均寿命が5.5歳延びたと明らかにした。一方、所得の不均衡と保健医療へのアクセスの不平等により、多くの人々の寿命は平均よりはるかに短いと警告した。

 報告書によると2016年生まれの子どもの平均余命は72年と、2000年の66.5年から上昇した。

 WHOによると2000~16年の16年間で、5歳未満の子どもの死亡率が大幅に減少。特にマラリア、麻疹(はしか)などの伝染病対策で進歩が見られたサハラ以南のアフリカ諸国でこの傾向が確認された。

 1990年代にアフリカの広範囲で猛威を振るったエイズウイルス(HIV)とエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)のまん延予防と治療の進展も、平均寿命の伸長に貢献した。

 一方でWHOは、貧困国で向上したものの、先進国と発展途上国の寿命には依然として大きな隔たりが存在すると指摘。例えばレソトと中央アフリカの平均寿命はそれぞれ52歳と53歳だが、スイスは83歳以上、日本は84歳以上となっている。

 また、富裕国では死者の大半を高齢者が占める一方で、貧困国では死者3人中1人近くが5歳未満の子どもという。(c)AFP/Nina LARSON