【4月8日 Xinhua News】中国広東省高州市人民医院で3日午前、心臓外科の何勇(He Yong)医師率いるチームが先天性心疾患を持つ41歳の女性患者の手術を行った。同医院から400キロ離れた広州市の広東省人民医院の多目的ホールには複数の心臓外科医が集まり、大型スクリーンを通してリアルタイムで手術の遠隔指示を行った。

 手術は3日午前9時半に始まり、約4時間にわたって行われた。広東省人民医院心臓外科の郭恵明(Guo Huiming)副主任は、中国で第5世代移動通信システム(5G)を使ったリアルタイム遠隔指示による心臓内視鏡手術は今回が初めてだと説明した。手術中、同医院多目的ホールの大型スクリーンには、5つの中継画面が表示され、何氏のチームが手術を行う様子は5Gネットワークを通して広州に送られ、仮想現実(VR)実技指導画面や患者のバイタルサインもリアルタイムで表示された。

 切開は午前10時20分に始まったが、広州と高州の医師は手術前から既に患者の心臓の状態を十分把握していた。それは、事前に広東省人民医院のAI補助診療システムを利用して患者の心臓をVRで再現し、3Dプリンターによる模型を制作していたからだ。

 午後1時20分、「穴」の修復が終わった患者の心臓は再び鼓動し、止血と縫合を終え、手術は無事終了した。

 手術中の5G通信は終始安定していた。通信担当者は、ネットワーク速度は4Gの10倍、タイムラグは30マイクロ秒以下で、ほぼ同時進行だったと述べた。

 広東省人民医院の余学清(Yu Xueqing)院長は、5G超高速ネットワークによる高精細度画像や高品質通話、大容量データのほぼリアルタイムの送受信が、手術のリアルタイム遠隔指示を実現したと説明。貴重な応急処置の時間が短縮され、より多くの患者が救えるようになるとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News