【4月5日 AFP】ミャンマー南部ムドン(Mudon)村で今週、地元で有名な僧侶の追悼式が盛大に営まれ、このために造られた彩りも鮮やかな宮殿に熱心な信者数千人が集まり、追悼の踊りや歌をささげた。

 この僧侶は白血病のため昨年、48歳で亡くなった。

 僧侶の熱心な信者たちは9か月かけて、豪華な追悼式を行うのに必要な8万ドル(約900万円)を集めた。アジア有数の貧困国で、国民の3分の1が貧困ラインを下回り生活するミャンマーで、これは巨額の費用だ。

 巡礼者たちは僧侶に追悼の意を表すため、一張羅を着て宮殿を訪れた。木や竹でできたこの宮殿にかかった費用は約3万3000ドル(約370万円)。

 地元の僧侶(50)はAFPに対しサイケデリックな色調や明るくきらめくネオンライトで飾られた複数階の宮殿について、天国を表現していると説明。音楽が流れる中、大声で「私たちの宗教の英雄である僧侶が亡くなり、私たちは皆、彼を失ったことに打ちのめされてる」と述べた。

 仏教指導者が社会に大きな影響を及ぼしているミャンマーでは、同指導者らが子どもの教育を行う他、住民のトラブルの仲裁に入ったり道路などのインフラ整備費用の調達を支援したりしている。

 1週間の間、宮殿の階段にはふたの開いたひつぎに入った僧侶の遺体を一目見ようと人々が押し寄せた。

 追悼式は先月31日、ひつぎが僧侶の寺院の火葬部屋に運ばれるところで、ひつぎに触れようとする人々が騒ぎ最高潮に達した。火葬からの煙が空に立ち上ると頭上で花火がさく裂し、巡礼者たちは数百個のきらめくランタンを空に放ち、夜遅くまで踊り続けた。(c)AFP