【4月4日 AFP】メキシコサッカー連盟(FMF)は3日、同国2部リーグのドラドス・シナロア(Dorados de Sinaloa)を率いるディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)監督がベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を称賛したことを受け、リーグの倫理規定に抵触していないかどうかの調査を開始したと発表した。

【特集】写真で振り返るサッカー選手のビフォーアフター

 アルゼンチンサッカー界のレジェンドであるマラドーナ監督は、タンピコ・マデロ(Tampico Madero FC)戦に3-2で勝利した先月31日の試合後に行われた記者会見で、これまでと同じように議論を引き起こした。

 マラドーナ監督は、「この勝利をニコラス・マドゥロと苦しんでいるベネズエラ国民にささげたい」とコメントすると、続けて「世界の警察官の米国人たちは、世界で最大の爆弾を持っているという考えだけであれやこれやと指示してくるが、そんなことはないし、われわれには通用しない」と語った。

 マラドーナ監督は、ベネズエラ国内の政治的、経済的危機を主導した左派のマドゥロ大統領と近しい関係にある。米国をはじめとする50以上の国は、昨年5月のマドゥロ大統領の再選を違法とみなしており、野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏を暫定大統領と承認している。

 かつては、キューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)元国家評議会議長を「第2の父」と呼ぶなど、中南米の左派指導者と親しい間柄にあるマラドーナ監督は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を、1970年代にアルゼンチン国内のテレビで人気を博した金髪のあやつり人形「チロリータ(Chirolita)」になぞらえ、「米国が大統領としているチロリータは、われわれを手なずけられはしまい」と語っている。

 FMFはコメント文で、マラドーナ監督の発言について「政治的、宗教的な事柄について、中立的な立場を守る」という規定条項7などに対する違反があった疑いがあり、規律委員会が調査を開始したと発表している。(c)AFP