【4月8日 AFP】フランス・パリの国立自然史博物館(National Museum of Natural History)で、巨大イカと「生きた化石」シーラカンスの標本の修復作業が行われた。

 巨大イカは、2000年にニュージーランド沖で捕獲されたダイオウイカで、全長最大18メートルまで育つこともあるという。ニュージーランドの先住民マオリ(Maori)の神話にちなんで「フェケ(Wheke)」と名付けられた博物館のイカは、胴体だけで6メートルの長さがあり、重さは80キロに上る。

 約半世紀にわたり博物館で剥製を作成してきたクリストフ・ゴティニ(Christophe Gottini)さんによると、当初はゴムスポンジを中に詰めるという古典的手法を試したが、うまくいかなかったという。このためゴティニさんは、イタリアで使われていた樹脂加工技術を取り入れた。

 ハイギョの親戚であるシーラカンスは長年、約6600万年前の白亜紀末期に恐竜と共に滅びたと考えられていた。だが、1938年に南アフリカ沖で釣りをしていた人が捕獲し、絶滅していなかったことが判明した。

 博物館で保管されていたシーラカンスの標本は、科学者たちが内臓を調査のために取り除いてから約60年もの間、ホルマリンに浸されていた。当時の扱いが丁寧ではなかったため、標本はかなりの修復が必要だったという。

 巨大イカとシーラカンスは来年1月5日まで、国立自然史博物館の進化大陳列館(Grand Hall of Evolution)で展示される。(c)AFP/Laurence COUSTAL