【4月4日 Xinhua News】中国科学院蘇州生物医学工程技術研究所(蘇州医工所)が先ごろ麗水、蘇州の病院と協力し、医学画像と結びつけて使用できる人工知能(AI)システムを開発した。このシステムを核磁気共鳴(MRI)強調画像と結びつけると、非侵襲下で患者のがん悪性度レベル分類ができる。同研究所への取材でわかった。

 がんのレベル分類とは、悪性腫瘍の分化程度の高低、異型性の大小、核分裂像の多少などの病理形態に基づき、悪性度のレベル分類をすることを指す。レベル分類により、腫瘍の悪性度が明らかになり、臨床診断、治療プランの選択と予後評価によりどころを提供することができる。ただ現実には、レベルの分類結果は医者の経験への依存度が高く、主観性が比較的大きい。この数年、モデル識別、ロボット学習、ディープラーニングなどの技術が絶えず発展するのに伴い、科学界は医学画像と結びついたディープラーニング・ネットワークを作り上げ、がんに対し客観的な自動のレベル分類を行う試みを進めている。

 今回、研究チームは、SE-DenseNetという名前の複合ディープラーニング・ネットワークを作り上げた。このネットワークは、MRI強調画像の特徴を鋭敏に捉えることもできれば、さまざまな特徴の全体分析における重みを自主的に学習し、絶えず最適化して、がん患者のレベル分類を行うこともできる。

 「従来の穿刺(せんし)によるがんのレベル分類と比べ、『医学画像+AI』を使ってのレベル分類は、より全面的に病巣情報を獲得し、検査もれ率を低くすることができる。AIを利用しての病巣レベル分類の正確性はこの数年も絶えず引き上げられており、この技術を疾病診療に応用する見通しは明るい」。研究に参加した蘇州医工所の周志勇(Zhou Zhiyong)研究員はこう語った。

 この研究成果はこのほど生物医学工学分野の英季刊誌「生物学と医学におけるコンピュータ応用」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News