【4月3日 AFP】マラソンの世界最高峰シリーズ、ワールドマラソンメジャーズ(WMM)の主催者が2日、陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」とともに、薬物違反対策の新たなプログラムに資金を注入することを発表した。

 英ロンドン、米ニューヨーク、シカゴ、ボストン、東京、独ベルリンで行われる6大会からなるWMMは、今後ドーピングの調査員を増やし、長距離の強豪選手たちへの監視の目を強めることに予算を割り当てる。

 マラソン界では近年、リオデジャネイロ五輪金メダリストのジェミマ・スムゴング(Jemima Sumgong、ケニア)や、シカゴ・マラソン(Bank of America Chicago Marathon)とボストン・マラソン(Boston Marathon)を制したリタ・ジェプトゥー(Rita Jeptoo、ケニア)が赤血球の量を増やすエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)を使っていたことが発覚するなど、ドーピングが大きな問題となっている。

 2017年に創設された独立機関、AIUのブレット・クロージア(Brett Clothier)氏は「競技の商業的成功に関わってくる以上、われわれにとっての最優先課題だ」「陸上のロード競技は特にお金が稼げる分野で、WMMは世界最高レベルの賞金が設定されている。それゆえドーピングのリスクは高い」と話した。

 ロンドン・マラソン(London Marathon)のヒュー・ブラッシャー(Hugh Brasher)レースディレクターは「スムゴングやジェプトゥーのようなケースが発生するのは残念だし、われわれも全力を尽くしてこのスポーツの品位を守っていかなくてはならない」とコメントしている。(c)AFP