【4月3日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)長官は2日、連邦議会の公聴会で、NASAは2024年に再び有人月面着陸を成功させた後、2033年までに初の有人火星着陸を成功させることを目指すと明言した。

 同長官は席上、火星着陸の目標を達成するには、月面着陸などの他の計画をより迅速に進める必要があると説明した。当初の有人月面着陸の目標は2028年だったが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領を通じ、これを4年前倒ししたことを発表。NASAはこの計画の実現に向け、取り組みを加速させている。

 トランプ大統領が2期目を迎えた場合、2024年は任期の最終年に当たり、政治的に重要な意味がある。その一方、米航空宇宙大手ボーイング(Boeing)による重量物運搬ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の開発が大幅に遅れていることなどから、専門家や議員の間には、NASAは新たな期限までに目標を達成できないのではないかと懸念する向きが多い。

 火星との有人往復飛行は、火星と地球が太陽から見て同じ側にある場合しか実施できない。この状況はおよそ26か月に1回生じるため、2030年以降で該当する時期は31年、33年などとなる。

 2017年のNASA予算案は初の有人火星飛行計画の目標を2033年としていたが、NASAは自らが示した行程表に目標の時期を「2030年代」と記していた。(c)AFP