【4月2日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は1日、ドイツはNATO防衛費支出の公約を順守すべきだと強調した。

 まもなく創設70周年を迎えるNATO加盟国の外相らは今週、控えめな祝賀式典のために米首都ワシントンに参集している。だが、NATOと米政府との間では、かつてないほど緊張が高まっている。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は他のNATO加盟国、とりわけ経済大国のドイツが、米国の軍事力にただ乗りしているとして繰り返し非難しており、欧州諸国が防衛費支出を増額しなければ、「独自路線」を取ると脅しをかけている。

 NATO加盟国は2024年までに防衛費支出を対国内総生産(GDP)比2%とすることで合意しているが、ドイツ政府は先月、対GDP比を今後数年間で引き下げ、「2020年の1.37%」から「2023年には1.25%」とする方針を発表した。この発表に米政府は激怒。ストルテンベルグ事務総長も、ドイツ政府は2014年のNATO首脳会議で署名した公約を果たすべきだと述べた。

 NATOの会合に先立ち、ニューヨークにある米独関係の非営利団体(NPO)「アメリカ対独協議会(American Council on Germany)」で演説したドイツのハイコ・マース(Heiko Maas)外相は、ドイツはすでに2014年以降、防衛費支出を約40%増額しており、NATOの支出上位国だと主張。NATO加盟国間の協力関係が過去70年間にわたり、欧州に安全と繁栄をもたらしてきたと述べる一方、「ロシアが繰り返しわれわれの結束を試しているこのときに、支出負担に関する議論が不安感を生んでいる」とくぎを刺した。(c)AFP