【3月30日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)が実現するはずだった29日、ロンドンの議会議事堂前では数千人が集まり、英国旗を振りかざして「裏切り」行為を非難した。この日は英国の「独立の日」となるはずだったが、政治停滞により離脱は土壇場で延期されていた。

 英国を分断した国民投票で52%がEU離脱を支持してから3年が過ぎようとする中、議員らはEU離脱の方法のみならず、離脱が本当に可能なのかさえもわからずにいる。

 英議会はこの日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相がEUとまとめた離脱協定案について3度目の採決を行ったが、同案はまたしても否決された。議事堂前の広場では、議員らに住民投票の結果を尊重するよう要求するデモが行われた。

 英国旗を身にまとってデモに参加したロンドン東郊ビラリキー(Billericay)在住のデビー(Debbie)さん(54)は、「残留派の議員たちは傲慢(ごうまん)で、きっと激しい反発を受ける」と語った。

 ブレグジットを熱烈に支持する人々は、英国が離脱協定でEUと合意することなく即刻離脱し、世界貿易機関(WTO)の規則に復帰することを求めている。デモ参加者らは、「ブレグジットの裏切りをやめろ」、「私たちの王国を返せ」、「今こそ英国を自由に」などと書かれたプラカードを掲げた。

 EU懐疑派の政治家スザンヌ・エバンス(Suzanne Evans)氏は、当初の予定通り3月29日午後11時(日本時間30日午前8時)にEUを離脱できないことの意味は重大だと指摘。「独立の日を祝うはずだった。それが約束だった。(議員らは)もう一切信用できない。まったくもって恥ずべきことだ」と述べた。(c)AFP/Robin MILLARD