【3月27日 AFP】ベネズエラで25日、カラカス首都区と全国23州のうち少なくとも8州に及ぶ広い地域で新たに停電が発生した。同国は2週間前、全土を襲った大規模停電でまひ状態に陥ったばかりで、国民の間に不安が広がっている。

 首都カラカスではグリニッジ標準時(GMT)25日午後5時20分(日本時間26日午前2時20分)に停電が発生し、市中心部で停電した。

 携帯電話は通じなくなり、テレビが映らなくなったほか、商店は略奪を懸念して早々とシャッターを降ろした。また国内紙1紙が、カラカス郊外にある主要国際空港でも停電が発生したと伝えた。

 3月7日から1週間続いた前回の大停電では、病院の患者十数人が死亡したほか、公共交通の停止や、生命線である石油生産の遅れなどの影響が出た。断水も発生し、市民は破裂した水道管から排水路に流れ込んだ水や汚染された水源の水に頼らざるを得なくなった。

 ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は前回の停電について、米国によるサイバー攻撃が原因だと主張。同大統領は、米国など約50か国に暫定大統領として承認されたフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長率いる野党が、インフラに対する「破壊工作」に従事していると非難した。

 だが複数の観測筋は、米国によるサイバー攻撃は可能性としてはあり得るものの、考えにくいと指摘。長年にわたる投資不足や管理の不備、汚職が原因である可能性の方が高いとし、今後も停電は発生するとの見通しを示した。

 マドゥロ政権は25日、今回の停電も電力システムに対する「攻撃」だと主張。ホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)通信情報相は国営テレビで、攻撃は前回の大停電と同じく、電力需要の80%を賄うグリ(Guri)水力発電所を狙ったものだと述べた。

 映像は25日に撮影。(c)AFP/Marc BURLEIGH, Guillaume DECAMME