【3月27日 AFP】インド税務当局は26日、巨額の銀行詐欺に関与した容疑を掛けられ国外逃亡した富豪の宝石商、ニラブ・モディ(Nirav Modi)容疑者が所有していた絵画コレクションを競売に掛け、800万ドル(約8億8000万円)を回収した。当局が明らかにした。

 インド競売大手サフロナート(Saffronart)によると、出品されたのはバスデオ・S・ガイトンデ(Vasudeo S. Gaitonde)やフランシス・ニュートン・スーザ(Francis Newton Souza)らの作品で、コレクション全体の3分の1余りが予想を上回る価格で落札された。

 モディ容疑者はインド財界を揺るがした巨額銀行詐欺への関与が疑われている人物で、当局は徴収目的で同容疑者が所有する絵画を売りに出した。

 モディ容疑者は世界各地の大都市に高級宝石店を所有し、女優のナオミ・ワッツ(Naomi Watts)さん、ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)さん、プリヤンカー・チョープラ(Priyanka Chopra)さんといった著名人を顧客に抱えていた。

 しかし、インド国営銀行2位のパンジャブ・ナショナル銀行(PNB)を巻き込んだ18億ドル(約2000億円)規模の詐欺で中心的な役割を担ったとの疑いを掛けられた後、昨年2月にインドから逃亡。

 同容疑者は先週、英ロンドンで逮捕され、今後送還される見通しとなっている。

 インド当局はモディ容疑者が所有していた宝石事業や国外銀行口座、ロンドンや米ニューヨークの不動産など、合計およそ9000万ドル(約100億円)相当の資産を押収。また、今月に入って同容疑者が所有していた1400万ドル(約15億円)相当の海沿いの豪邸を爆破した。(c)AFP