【4月1日 Xinhua News】中国の長江、黄河、瀾滄江(Lancang River)の源流域にある三江源国家公園管理局はこのほど、研究者が黄河源流域で野外調査を行った際、赤外線カメラでユキヒョウのメスと子ども各1頭を撮影したことを明らかにした。この地域で行われた本格的な科学調査で、ユキヒョウの映像が記録されたのは初めて。

 同管理局は1月から2月にかけて、世界自然保護基金(WWF)や青海省原上草自然保護センターと共に10人余りの科学研究チームを結成し、黄河源流域で野外調査活動を行った。この期間、研究者は現地に無人赤外線カメラ16台を設置し、トレーニングを受けた複数の牧畜民の生態管理保護員がその保守を担当した。

 このほど、調査チームが赤外線カメラを回収した際、1頭のメスのユキヒョウが子どもを連れて縄張りを見て回る様子を撮影したいくつかの映像が見つかった。1月21日と2月13日に撮影されたもので、メスのユキヒョウが穴を掘ってマーキングする様子も捉えられていた。映像を見た専門家によると、子どもは生後約8カ月と推定される。同じ地点の赤外線カメラの映像には、アカギツネなど他の野生動物も映っていた。

 研究者は近年、瀾滄江源流域や長江源流域でユキヒョウの調査を複数回実施し、ユキヒョウが活動する姿の撮影に何度も成功していた。だが、黄河源流域はユキヒョウ調査の「空白地帯」だったため、今回の発見は、学界にとって重要な意味がある。

 今回の調査に参加したWWFのユキヒョウ保護専門家、何兵(He Bing)氏は、これまでの発見状況から黄河源流域は恐らく崑崙(こんろん)山脈や三江源各地をつなぐユキヒョウの重要な移動経路の一つで、個体群の交流や拡散を促すのに、かけがえのない役割を果たしていると指摘。「今後、黄河源流域で行われる長期的なユキヒョウ調査を通して、現地のユキヒョウの個体群数や分布密度、生息状況、移動・拡散経路などの情報を徐々に特定していく」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News