【3月21日 AFP】中国プロバスケットボールリーグ(CBA)は20日、米プロバスケットボール(NBA)の元選手で現在は北京ダックス(Beijing Ducks)でプレーしているアーロン・ジャクソン(Aaron Jackson)が、試合中に上海シャークス(Shanghai Sharks)のファンから人種差別的な暴言を受けたと伝えられた問題で調査を開始した。

 32歳のジャクソンは、ダックスが117-103でシャークスを下した19日のプレーオフの一戦で、人種差別の標的にされたと伝えられている。報道された試合の動画では、ひどく動揺している様子の同選手がチームメートに先導されながらサイドラインへ下がる姿や、審判が観客に着席を促す様子が確認された。

 試合を取材していた記者がソーシャルメディアに投稿した情報によると、ダックスのベンチ付近にいた地元シャークスのファンが、ジャクソンに向かって人種差別的なやじを飛ばしたとされている。昨年はNBAのヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)でプレーしていたジャクソンだが、これまでのキャリアではほとんど海外のチームでプレーしている。

 CBAの広報担当者はAFPの取材に対して、「現在調査を進めている。観客がジャクソンに何か言ったようだが、具体的な内容については確認する必要がある」と述べた。

 元NBAのスター選手である姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏が所属していたことで知られるシャークスは、今回の事件を把握していない上にダックスから抗議は受けなかったと話した。

 シャークスのファンが問題を起こしてメディアの話題に上るのは、ここ数か月で2度目となる。昨年12月には、1937年の南京事件があった日に合わせて南京モンキーキングス(Nanjing Monkey Kings)に過激なチャントを浴びせ、大きなトラブルを引き起こしたとしてリーグの調査対象となった。

 試合が終盤に差し掛かると、シャークスの地元ファンは「なぜ南京事件でお前らのチームは殺されなかったんだ?」と叫んだとされている。(c)AFP