【3月20日 AFP】中国南部・広州(Guangzhou)市で、黒い口紅に白塗りの「ゴスメーク」をした女性が地下鉄に乗ろうとしたところ、鉄道職員からメークを落とすよう求められる出来事があった。ソーシャルメディア上では、これに抗議するゴス愛好家によるゴスメークの自撮り写真の投稿が相次ぎ、地下鉄運営会社は謝罪を強いられた。

 ゴスは黒い衣服やメークで知られるサブカルチャー。その中でも人気の「ゴシック・ロリータ」と呼ばれるスタイルでは、英ビクトリア朝の人形に着想を得た陰鬱(いんうつ)な服装が特徴だ。日本を中心としたアジアで人気を博し、中国でも愛好家が増え始めている。

 本人が中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」に投稿したところによると、女性は今月10日、広州の地下鉄駅で、メークが「怖すぎる」として女性警備員に呼び止められた。女性は投稿で「どんな法律を根拠に、私は止められて時間を無駄にされているの?」とつづった。

 微博では女性を擁護するゴス愛好家らが、「#為広州地鉄発自拍(広州地下鉄のために自撮りを)」というハッシュタグをつけてフルメーキャップ姿の自撮り写真を多数投稿。関連の投稿は数千件に上り、中には580万回近く閲覧されているものもある。

 広州地鉄(Guangzhou Metro)は16日、女性への対応が不適切だったことを認め、「深く反省しており、改善に努めていく」と述べて謝罪。一方、ネット上では女性に否定的な意見もあり、「地下鉄に乗って公共の場に行かなければならないのであれば、他人がどう感じるのかを考えるべきだ」との声も上がっている。(c)AFP