【3月20日 AFP】オーストラリアと香港で競泳選手として活躍したケネス・トー(Kenneth To)選手(26)が合宿先の米フロリダで急逝し、競泳界にショックが広がっている。

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 トー選手は、オーストラリア代表時代にコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)や世界水泳選手権(FINA World Championships)のメダルを獲得し、後に中国のスター孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)とチームを組んだこともある、選手仲間では評判の高い選手だった。

 ところが19日、香港体育学院(Hong Kong Sports Institute)から「練習中に体調不良を訴え、病院へ搬送されましたが、残念ながらこの世を去りました」と発表された。

 学院は「非常にショックであり、残念です」「チームメートや他選手から非常に評判が良い人気者で、飛び抜けた人間性と、温かくて面白く、優しい人柄で知られた選手でした。今回の急逝は、香港のスポーツ界にとって大きな損失です」と話している。

 トー選手の訃報には、さまざまな人が哀悼の意を表している。その一人である五輪金メダリストの孫は、中国のソーシャルメディアに「君の競泳への愛と情熱は、いつまでも僕らの胸に生き続ける。君が競泳に残したすべてにありがとう」「天国では苦しまないことを願っている。安らかに」と書き込んだ。

 香港の競泳選手であるイベット・コン(Yvette Kong)も、現地紙に対して「今も知らせが受け入れられません。本当にショックです」「彼は香港競泳界に大きく貢献しました。非常に残念です」と話している。

 トー選手は、オーストラリア時代の2013年に世界水泳の4×100メートルメドレーリレーで銀メダル、2014年にコモンウェルスゲームズの4×100メートル自由形リレーで金メダルを獲得し、その後の2016年に生まれ故郷である香港代表への変更を選択した。

 香港では、2017年の中国全国運動会(National Games of China)の4×100メートル自由形リレーで孫楊とチームを組み、体育学院によれば16個の香港記録を持っている。また短水路では、100メートルと200メートル個人メドレーのオーストラリア記録を保持している。(c)AFP