【3月19日 AFP】18日に発表された米疾病対策センター(CDC)の報告書で、米国で新たに確認されたエイズウイルス(HIV)感染者の約40%は、HIV陽性であることに気付いていない人からの感染だったことが分かった。また、HIV陽性であることを知っているが、治療を受けていない人からの感染も40%を超えた。

 調査は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の今後10年以内に米国からHIV新規感染を撲滅するとの方針を受け実施されたもので、2016年のデータに基づいている。HIV撲滅のための戦略は、HIV検査の拡大と、検査で陽性だと診断されたらすぐに治療を受けられる環境を整えるという主に2点で構成されている。

 CDCの報告書によると、HIV感染者の38%は、HIV陽性であることに気付いていない人から感染していた。また、HIV感染に気付いているものの、抗レトロウイルス治療を受けていない人からの感染も43%に上った。残りは、HIV治療を受けているものの、まだ「ウイルスを抑制できていない」人からの感染だった。

 HIVの治療は現在、副作用を最小限に抑えた錠剤を毎日服用するのが一般的となっている。CDCは、経済的、社会的理由などからHIVに感染しても治療を受けようとしない人がいると指摘している。

 報告書はまた、治療によりウイルスを抑制できていて、HIVを他人に感染させる可能性がない人は米国で50万人に上るが、このような人々からの感染はゼロだったことも指摘している。(c)AFP/Ivan Couronne