【3月25日 AFP】コート上での激しいせめぎ合いが魅力のテニスだが、実は舞台裏でも、新進気鋭のニューカマーと名声を確立したスターとの争いが繰り広げられている。

 テニスのラインコールの分野は近年、革新的なボール追跡技術を開発した英国のホークアイ(Hawk-Eye)社が牛耳ってきた。コンピューターと接続したカメラでボールを追跡し、軌道と接地点を計算・推定した後、シミュレーション映像を生成してインとアウトを判定するシステムは、世界中のテニスファンにおなじみのものとなっている。

 ところが、スペインに拠点を置く新興のフォックステン(FoxTenn)社は、自分たちのシステムはライン判定をめぐるグレーゾーンをなくすものであり、ホークアイよりも優れていると信じている。

 ホークアイはコートの周囲に10台以上のカメラを設置し、ボールの実際の接地点とシミュレーションとの誤差は、公式には3ミリ程度とされている。

 しかし、それでも大きすぎると考えるフォックステンは、自分たちのリアルタイムテクノロジーなら議論の余地をゼロにできると主張する。フォックステンのハビエル・シモン(Javier Simon)社長は「われわれが提供するのは真実と透明性のテクノロジーであり、ボールが実際にコートに触れた瞬間を扱うものです」と話した。

 実際、フォックステンのシステムでは40台ほどのカメラを設置し、スキャナーとレーザーの補助も得ながら実際に接地した瞬間を捕捉するから、シミュレーションを行う必要はない。シモン氏によれば、男子プロテニス協会(ATP)と国際テニス連盟(ITF)、女子テニス協会(WTA)の主要3団体が認可した調査で、測定ミスの割合はゼロだったという。