【3月18日 AFP】ロシアは18日、ウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を併合してから5年を迎える。欧米はクリミア併合に反発している一方で多くのロシア国民は併合を祝う立場を保っているが、世論調査からはクリミア領有に対する国民の熱狂が冷めてきたこともうかがわれる。

 クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)によれば、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はクリミア併合の記念式典のほか、新しい発電所の開所式にも出席するという。

 ロシアが2014年に黒海(Black Sea)に面するクリミアを併合すると、ウクライナ政府と欧米諸国は激しく非難し、経済制裁を発動した。その一方でプーチン氏の人気は大いに高まった。

 米国、カナダ、欧州連合(EU)は先週、複数のロシアの当局者および企業を「ウクライナにおける継続的な侵略行為」を理由に制裁対象に追加指定した。しかしクリミア併合後支持率の上がったプーチン氏は、クリミアをウクライナに返還する可能性はないと繰り返し表明している。

 昨年放映されたドキュメンタリー番組の中で、クリミア半島を返還する状況はありえるのかとジャーナリストから質問されたプーチン氏は「何? 頭がおかしくなったのか?」「そのような状況はないし、これからも決してない」と返答した。

 ロシアの世論調査機関「世論基金」(FOM)によれば、クリミア併合は悪影響より良い影響のほうが大きいと考える人の割合は2014年の67%から現在は39%に減少。クリミア領有へのロシア国民の熱狂は5年前よりも冷めていることが明らかになった。(c)AFP/Maria PANINA